天使に近づきたかった少年
3.屋敷
目を覚ました時には、俺は家とは違うところにいた。
何処だろう・・・此処は?
辺りを見る、館の様だ。
広い静かな場所。
こんなところにいると、ふとおばさんの事を考えてしまう。
あの状態で生きている事なんてありえない。
それに、俺が出会った二人の男。
一人はどこかへ行ったが、もう一人は俺が倒れた時傍にいたはず・・・
じゃあもしかして、あの男が俺をここまで・・・?
「あっ目、覚めたみたいだな。」
思った直後にその男の声が聞こえて、俺は驚きベッドから落ちた。
「だ、大丈夫か?!」
それを見た男が慌てて俺に駆け寄る。
「いたた・・・あっ、大丈夫・・・です。」
少し痛みはあるけれど、これといった外傷もないのでにこっと笑って答えると男はほっとしたように胸をなでおろした。
「それよりも・・・此処はどこなんですか?お前は一体・・・?」
俺が目つきを変えていうと、男は「あぁ・・・」と少し迷って話を始める。
「俺は『ウォール・ディンス』。別に怪しい者じゃない・・・っていいたいところだが今の君からしたらかなり怪しいだろうな・・・」
俺は苦笑して頷いた。
失礼だとは思うが、それが事実だ。
「それで、此処はあの村から結構離れたミッドウェルっていう町の外れにある大きな館だ。
此処のことを俺達は『支部』として使っている・・・」
「支部・・・?何のための・・・?」
「・・・現世に生きる神々の生態の確認及び・・・。」
そこでウォールは言葉を躊躇った。
しかし、覚悟を決めたように頷くと大きく息を吸う。
「及び、その生命体を抹消することだ。」
その後の沈黙は彼の思っていたものを上回っていたようで彼は困ったように笑う。
「・・・こんな話、信じないよな?」
しかし、俺は首を振る。
「ううん・・・信じるよ。」
ウォールは驚いていたが仕方がない。
俺は本当の神を・・・・
この目でみてしまっているのだから。
彼は神以外では考えられない。
人の持つどんな恐怖よりも大きく、そのくせ気まぐれで、
時に脅威に値するであろう彼を除いて、誰を神と呼べるだろう?
「・・・セントは・・・『本当』の神なんじゃないの・・・?」
「・・・おそらく、な。だが・・・もしかすると・・・。」
ウォールが言いかけた時、違う部屋から声が聞こえた
「おーいウォール!何処にいる?!」
その声に彼は今行くよー!!と叫び返して
「ごめん、その話はまた今度な?」
そう言って部屋を出て行ってしまった。
と、数秒してまた戻ってきたかと思うと
「この屋敷から出なきゃ、ウロウロしてもいいからな?」
と俺に笑いかけまた行ってしまった。
こうなったら、俺がすることは一つしかない
俺は、部屋のドアを出て、この屋敷の探検をすることを
決意したのだった・・・
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