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天使に近づきたかった少年

6.雷神降雷

「・・・雷神・・・」

「そうですよ、私は雷神。貴方の求めた神々の一人なんですから。」

ブレイクが言う。

俺が求めた・・・?

俺は・・・

あんな破壊神のような残忍な者を望んだと・・・?

「ちょっと待って。」

「・・・どうしたんです?」

「俺は・・・俺があんな最低な神を望むわけない・・・」

俺は小さく、しかしはっきりという。

「・・・ですが、破壊神は貴方を望んでいる。現に、貴方の存在に気付いてすぐ、貴方のもとに参上した。」

雷神の言葉が頭の中で響いた。

何だ?

この威圧感は。

破壊神とは違う、しかし大きな恐怖が確かにそこにある。

「俺を望んだ・・・?」

「はい、だから彼はわざわざあの村に立ち寄ったのです。大きな危険も省みず。」

大きな危険・・・

それはきっとウォールのことだ。

しかし、彼からはそれほど恐怖を感じなかった。

それは、ただ単に、彼が善人だったからなのか・・・

それとも、もっと別の理由があるのだろうか?

とにかく、今、俺の目の前には、自らを神と名乗る者がいる。

そして、それはセナと同じように、恐怖の根源となり得る存在だ。

だが、不思議なのは、セナの時よりも、俺が冷静でいられていることだ。

以前は頭の中をぐしゃぐしゃにされているように集中できなかった。

今考えると、あれは偶然ではなく、あの男の持つ力に何か関係していたのではないだろうか?

否・・・さすがに考えすぎだろう・・・

「でも、どうして破壊神は俺を・・・」

「彼はね、自分がどういう生き方をしているか、知っているんです・・・」

「え・・・?」

「此処にいる者たちも、貴方も、そして、他の各地にいる神々も、彼の事を勘違いしている・・・もしかしたら、私自身も、間違っているかも知れない。とにかく、彼はただの破壊だけを好む愚人ではない・・・それだけは、知っておいて下さい。」

男はそこまで言うと、くるりと方向を変える。

「・・・これは忠告です、どうぞお気をつけを・・・」

「な、ちょっ・・・・」

「・・・申し訳ありませんが、私はこれから行く所がありまして、あまり時間がないのですが・・・」

「・・・・。」

そういわれると、俺は引き止めるのを止めてしまった。

自分の意思ではない、『彼が言ったから』止めたのだ。

理由はそれだけだ。

彼に言われると、そうしなければならない。

まるで、それが『定義』のように。

俺はずっと、ブレイクが立ち去るところを見詰めていた。

この世に実在する神という名の恐怖を

心にしっかりと留めながら。

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