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天使に近づきたかった少年

4.探検

この屋敷は本当に広い

思っていたものよりもはるかに。

だが、何故か帰ろうと思えばすぐに出ることもできる気がする

・・・変わったところだなぁ。

ほとんどのドアは閉まっていて、

何となく開けづらいのでまだ一つも開けていない。

窓から外の景色を眺めた。

まだ春だというのに、この屋敷の周りの花や木は

皆枯れ、何だか哀しい。

と、開いているドアを一つ見つけた。

このまま、まっすぐに行ったところだ。

・・・!!

そっと中をのぞくと・・・驚いた。

この部屋は殺風景で、窓が一つとその隣に机が一つあるだけだった。

しかし、そこには人がいた。

たった一つの席に座って、窓から外を眺めているのは

・・・恐らく少年だ。

美しいくらいの、美青年である。

黒く長い髪を揺らして、物思いにふけっているのか

俺の存在には全く気付いていないようだ。

そう思ってそっと部屋から離れようとした。

その時・・・

「・・・君は誰だい・・・?」

声がした。

青年の声だ。

まさかと思ってもう一度青年を見る。

彼はまだ窓を眺めていた。

気のせいか・・・?

「あの・・・」

「僕は君は誰かと尋ねた・・・。」

「・・・あっ、えっとルイです。ルイ・グレイル・・・」

気付いた時には名乗っていた。

自分でも何故かわからない。

「・・・そうか。君がルイか・・・」

青年が、フッとこちらに振り返る。

長くて黒い睫、白い肌。

本当に、女性かと思った。

青年は、俺を見て捉えた。

漆黒の瞳の奥に眠るのは・・・

恐怖?それとも憎悪・・・?

「・・・君の事・・・知っているよ。」

「え・・・?」

何故、俺のことを知っている人間がこんなにも多いんだろう?

偶然か・・・?

「・・・この世には、偶然なんてものは存在しないよ・・・」

俺の心を読んだかのように、青年が静かに言った。

彼の目線が静かに俺から外される。

「・・・君は選ばれた、それも偶然ではなく必然的に・・・此処にいるのは、皆選ばれている人間なんだから・・・」

「選ばれて・・・?」

「・・・今は知らなくてもいい筈だよ。否、知ってはいけない時だ・・・」

青年はそう言って、視線を俺にゆっくりと向ける・・・・

「・・・僕はレイ・アミューダ・ランガルド。この世界に蔓延る邪神を狩る死神だ・・・」

その言葉を聞いた時、俺は胸の中で異常な恐怖と憎悪が上がってくるのを感じた・・・

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