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天使に近づきたかった少年

3.新たな来客

「セナ・・・?」

初めて聞く名だ・・・

しかし、どこかで覚えがあるような気もする。

「アンタ、本当に何者・・・?」

「ですから、神ですよ。歴史上最強最悪の、ね。」

男・・・セナはそういってにっこりした。

「史上最悪って・・・どういう事だ?!」

「破壊しか出来ない神だからさ。しょうがないけどね。それが僕の役目なんだ。」

俺の質問に男は聞き飽きたように面倒そうに答える。

今まで何人の人々に、同じ問いをかけられてきたのだろう。

でも・・・破壊神とは一体・・・?

まず、神がこの世に存在すると言う事自体信じられない。

「・・・。」

セナはふと後ろに振り返る。

そして眉を顰めると、俺に向き直って言った。

「それではこの辺で。またお会いしましょう・・・否、必ず会う事になるでしょうが・・・。」

「は・・・?」

「・・・それが運命・・・というものです。それでは。」

彼はそういうと、深くお辞儀をした。

と同時に黒い風が巻き起こりそれが止む頃には男の姿はなくなっていた。

それからしばらく、俺はそこを眺めて呆然とする。

数分後、また新たな足音がこちらに近づいてきた。

「な、何だぁ?!」

今度は隠れようとしたが、それより先にその足音が玄関を踏んだ。

「・・・逃がした?・・・っこれは・・・」

そこに現れたのは茶髪で長身の男だ。

男はおばさんを見ると顔をしかめ、そむけた。

そして俺の存在を見て取った。

「・・・君、さっき此処に男がこなかった?黒いイアリングしてる。」

「え・・・あ・・・」

この人が言っているのは、セナのことだ。

瞬時にそうわかった。

でも、教える事に何故か俺は躊躇する。

「あの・・・。」

「くそっ・・・あいつ・・・こんな関係ない子まで巻き込んで・・・」

男は何か呟くと、もう一度俺に焦点を合わせた。

「お願いだ、知っている事があるなら教えてくれ。じゃないと、またあの人みたいに関係のない人が死んでしまう・・・これ以上被害者を・・・泣く人を俺は見たくない・・・!!」

男の声は本当に真剣で、瞳は微かに揺れていた。

「・・・じゃあ、やっぱり・・・あの人が、マグニクスがおばさんを・・・?」

殺したの?何故・・・・・・?

彼は関係のない人まで殺して、何をしようとしているの・・・?

何だろう、何故あんな男がこんなにも気にかかるのだろう?

男はその名を聞くと「やっぱり・・・」と、下を向く。

「・・・そうだ。全てはあの男、史上最悪の神を名乗る『セント・マグニクス』が仕向けた行為だ・・・」

・・・?

今、ちょっとおかしかったような・・・?

「ねぇ、お兄さん。」

「何だい?」

「さっき何て言ったの・・・?」

「セント・マグニクスの事か・・・?」

やはり・・・

名前が、違う。

あの男は、「セナ」と名乗った。

だが、今目の前にいる男は「セント」だという・・・

「『セント』・・・?でも、あの人は『セナ』って・・・」

「セナ?まさか、破壊神・・・なら、奴は本物なのか?」

「本物・・・??」

「・・・え?否・・・気にしないで。」

男は何か隠しているように言うと、苦笑する。

「ってか、あの男がお前に名乗った?って事はもしかして・・・」

独り言の多い人だな・・・と何となく俺は思う。

でも、悪い人じゃなさそうだけど・・・。

「お前ってもしかして、ルイ・グレイル?!」

がしっと肩を掴まれると、困るほど顔を近づけてとう。

「・・・そう・・だけど・・・。」

「うわっ・・・マジか。って事は、あぁ!もう訳わかんねー!!」

男はそういって頭を抱えた。

しかし、それはこっちのセリフだ。

この数時間で色々な事がありすぎた・・・

視界が、歪んだ。

「・・・・っ。」

「・・・?!どうしたんだ?!」

男の声が聞こえる中で、俺は深い深い闇の中へと、堕ちていった・・・

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