天使に近づきたかった少年
5.本物の神は・・・?
死神・・・?
それは・・・彼が新たな『神』であるということなのか・・・?
「・・・死神?」
「そう・・・でも、君が思っているものと同じ存在かどうかは保証できないよ・・・?」
レイはそういってまた窓に目を戻す。
先ほどから、気になっていた。
窓の外に何があるんだ・・・?
それに、もし彼が神の一人であるなら、
いつ変わる・・・?
セントのように、もう一つの人格を持っているのか?
「僕は、そういった神ではないよ・・・。」
まただ。
またレイは俺の心を読んだ。
「・・・それが、お前(神)の持つ力か・・・?」
俺が言うと、レイは何故かフッと笑う。
「・・・そう思うかい?だが・・・間違ってはいないな・・・力というのは。」
「何だと・・・?」
「・・・ルイ、君は持って生まれた潜在能力と供に、特殊能力というものがあるのを信じるか・・・?」
特殊能力・・・?
何の話だ?
「・・・そんなもの・・・あるわけが・・・」
「本当にそう思っている・・・?君は心の中で、その存在を確かに感じているんじゃないのか・・・?」
俺は言葉を失う。
どうして・・・
どうしてそこまでわかるんだ?!
本当に、俺の心が読めるんじゃ・・・
「・・・そう。君が思っている事は正しいんだよ。それなのに、君はそれすら否定しようというのかい・・・?」
「・・・・!」
やはり・・・
これは信じるしかないようだ。
彼は、本当に人の心を読める。
全員のものかはわからないが、とにかく俺の心は完璧に読めているのだ。
そして、先ほど彼が言っていた特殊能力(SA)。
きっと彼はそれを持っている。
「・・・よくできました。流石だな。」
レイがパンッと手を打つ。
「・・・此処まで早く状況を飲み込めたのは君が初めてだよ・・。」
「・・・ってことは、やっぱり・・?」
「否・・・紅も同じくらいでわかったか・・・?」
俺の言葉が、レイには聞こえていないらしい・・・
「あのー・・・」
「・・・?そういえば、リアーナは遅いが・・・何かあったのか?」
「・・・すみませーん。」
「ルイ、すまないが、僕は用事があるのでこの辺で失礼するよ・・・?」
レイは最後まで人の話を無視して立ち上がると、さっさと部屋を出て行ってしまった。
「・・・何だったんだよ、もう・・・」
俺はため息を吐くと、部屋を出ようとドアに振り返る。
と、驚いて叫んでしまった。
いつの間にか、ドアの前には人が立っていた。
銀髪をセンター分けにし、後ろで束ねたかっこうの男である。
彼は一見するとただの顔立ちの青年だ。
しかし、何かがおかしい。
しばらくして気付いた。
左目だ。
違和感はそこにあった。
髪の毛の隠れてか、見えない瞳。
だが、もっと深い理由がある気がするのは何故だろうか・・・
「あ・・・」
「始めまして・・・私の事は・・・ご存知ありませんね・・・?」
男がペコリと頭を下げる。
勿論、こんな男は知らない。
「・・・はい。」
「・・でも、本当は逢っているんだすよ・・・?もっともっと、はるか昔に・・・」
ああ、またこの類の人か。
こういう人の話は真面目に聞かない方がいい。
以前、俺がまだおばさんの家にいたころに、やってきた人間がいた。
その人も俺にずっと昔に出会ったと変な事を言ってきたのだ。
勿論俺は信じなかった。
その男の名は・・・・
あれ?
何だろう、何故か出てこない。
今までずっと、何があっても忘れなかった名だったのに。
「・・・私の名は。」
男が言った。
「私の名は、ブレイク。貴方が知る、神々の一人・・・」
「な・・に・・・?」
「レイ・・彼は本物の神ではないのです。ですが、私はそう・・・私は雷神として、この世界に降り立った神の一人です。」
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